マンション生活において避けては通れないのが修繕積立金です。
戸建てのリフォーム費用はある程度自分でコントロールできますが、他人様と共有するマンションではそうはいきません。
住宅ローンという大きなコストに隠れがちですが、築年数が経つとぐっと存在感を増す修繕積立金についてまとめてみました。
修繕積立金とは
修繕積立金とは、マンションの共有部分を安全に保ったり、壊れたものを修理したりするためのお金です。
当たり前ですが建物も年を取りますので、快適に住み続けるためには、定期的なメンテナンスが必要になります。
たとえば、外壁の塗り替えや、エレベーターの修理、屋上やベランダの防水工事などですね。
こうした大がかりな工事に備えて、マンションの所有者は毎月少しずつお金を積み立てておきます。
修繕積立金の積立方法
新築から数年程度の築浅マンションの場合、修繕積立金は比較的低く設定されていることが多いですが、その時の積立額が、将来もずっと変わらずに続くとは限りません。
マンションの修繕は一回だけでは終わらず、回を重ねるごとに、修繕箇所が増えたり、より大規模になる傾向があります。
そのため、年数が経つにつれて、修繕積立金の額は上昇するのが一般的です。
積立方法は、「一定額で均等に積立てる方式」と「徐々に積立額を増やしていく方式」があり、加えて、新築時にまとまった額を徴収する方法や、修繕が必要になった際に特別にお金を集めることもあります。
最近のマンションは、最初は負担を少なくして、徐々に積立額を増やしていく「段階増額積立方式」が約7割を占めています。
段階増額積立方式のイメージ
国土交通省の資料では、段階増額積立方式を以下のような例で説明しています。
築後 30 年間に必要な修繕工事費の戸当たりの総額 522 万円について、
- 購入時に修繕積立基金を 36 万円徴収
- 初年度の修繕積立金を月額6,000 円(年額 72,000 円)
- 5年置きに月額 3,000 円ずつ値上げ
- 26~30 年目には月額 21,000 円(年額 252,000 円)まで増額して確保する場合を想定
下図の青い棒グラフが修繕積立金の推移です。
新築時に比べると、築30年経つ頃には修繕積立金が3倍以上になっている、という例ですね。
実際の金額は建物によって異なりますが、増額積立方式の場合、はじめは軽かった修繕積立金が徐々に上がっていき、数十年後にはぐんと重くなることに注意しましょう。
修繕積立金が足りない問題
将来の大規模なメンテナンスを見越して、計画的に積立てているはずの修繕積立金ですが、統計を見ると、修繕計画に対して積立金が確保できているマンションは3割程度しかありません。
(下図、赤枠は積立金が不足している割合)
修繕積立金が不足する主な要因は以下のとおりです。
- 初期の積立計画が不十分
- 初期の積立額を意図的に下げている(将来にしわ寄せ)
- 定期的な見直しを行っていない
- 資材や人件費などコストの上昇
- 積立金の増額ができない(住民の合意を得られない)
- 積立金の滞納
建物だけでなく、所有者の高齢化も要因の一つと言われています。
戸建てと異なり、自分一人の判断では如何ともしがたい、マンション特有の課題を感じる部分ですね。
修繕積立金の目安
マンション生活において、修繕積立金は住宅ローン以上に長くかかり続ける費用です。
国土交通省では、修繕積立金の目安として以下のようなガイドラインを公表しています。
これから購入を考えている方は、事前に不動産会社に問い合わせて、これまでの大規模修繕の実施状況、現在の修繕積立金、将来の修繕計画を確認しておきましょう。
まとめ
つい最近、我が家のマンションでは大規模修繕がおわり、修繕積立金もしっかり月額4000円アップになりました。
物価高騰の影響で、来年度からは管理費*も値上げになるようです。
偶然このタイミングで、管理組合理事長の役を引き受けることになり、管理組合の会議に出席する機会が増えました。
少々面倒だけど、一人では直接コントロールできないお金だからこそ、これから起こることを知っておくのが大事。これからは会合にもなるべく出ましょ、と思いました。
* マンションでの生活を日々快適に保つためにかかるのが「管理費」で、これもまた所有者が毎月負担する費用です。
- エントランスやごみ置き場などの清掃
- 集会室などの共有施設の維持管理費
- エレベーターの定期点検
- セキュリティシステムの維持
- 管理人さんの人件費など