家計の悩みを手放す7つの秘訣

家計の悩みを手放す7つの秘訣 FP相談 仙台

私事ですが、ずいぶんと長い間、お金のことをよく知らずに、テキトーに決めては失敗してきました。

特に若い頃は、失敗とか、NGな選択だとすら気付いていなかったと思います。

恥ずかしながら、そんなかつての自分を、コラコラー!と叱責しつつも、できることなら救いたい。そんな思いで書きました。

少しでも、あなたの「転ばぬ先の杖」になればうれしいです。

長いので、コーヒーでも飲みながら読んでくださいね。

どうしたら貯蓄できるんだろう

そこそこ収入があるのに、どうもお金が貯まらない。

稼ぎはそう多くないのに、ぐんぐんお金を貯めている。

2つの違いって何でしょう?

「性格」で片付けてしまうのもなんですが、実際、お金が貯まらない人には、生活で残ったお金を貯めようとする傾向があります。

だけど、人は残ったお金を見ると、ついつい使いたくなってしまいます。このやり方では、貯蓄するのは難しいですね。

行動経済学という分野で、「将来の利益よりも目先の利益を優先する」傾向が強い人は、なかなか貯蓄ができないといわれています。

たとえば、この質問。あなたはどうでしょう?

今日なら1万円をもらえますが、あと1年待ったら余計にお金が追加されるとします。あなたなら、あといくら追加されたら、1年待つことができますか?

プラス 5000円? 
1万円? 3万円? 5万円? もっと?

追加される金額が大きい人ほど、今すぐにもらえる1万円の価値に重点を置く傾向があり、無意識のうちに、貯蓄で得られる将来の価値を小さく感じていて、貯蓄がしにくいタイプと言われています。

誰しも、苦手なことはうまく進みません。やらなきゃいけないと思っても、一向にその気になれないことってありますよね。

そんな時は、コントロールしにくい部分を責めないで、できることに目を向けて、それをやりましょう。

具体的には、毎月貯蓄する金額を決めて「自動的に積立されるしくみ」を作るのがおススメです。

給与天引きの社内預金や財形貯蓄があれば利用し、なければ銀行の自動送金サービスで、決まった日に勝手に積み立てられるようにセッティングします。

貯蓄に感情は必要ありません。むしろ邪魔になってしまうのが、揺れ動く心。毎月手動で振り分けようとしないことがポイントです。

できるだけ感情が入り込む隙を作らない「システム化」で、努力なしに苦手克服です。

ストレスフリーの家計管理法

生きていくのに必要なお金にはどんなものがありますか?

毎日のごはんや住まい、水道・電気・ガス、身の回りモノ、時には大きな買い物をすることもありますよね。

こういった「かかるお金」を3つのグループに分けて、各々どんな扱いをすれば良いかを決めておくと、家計管理がぐっとラクになります。

  1. 毎回ほぼ決まった金額を支払う「固定費」
  2. 毎回支払う金額がちがう「変動費」
  3. 時期は決まっていないけど、ある時は金額が大きい「イベント費」

中にはどっちつかずの費用もあるでしょうけれど、それはあまり悩まずに、近い方に入れてしまって大丈夫です。

項目を挙げてみると、ざっとこんなところでしょうか。

固定費
住宅ローン・家賃・共益費・管理費・修繕費・駐車場代・固定資産税・NHK料金・スマホやネットの通信料金・固定電話・新聞代・教育費(学校、部活、塾、習い事塾など)・生命保険料・火災保険料・損害保険料・車両費(税金、ガソリン代など)・定額制のおこづかい

変動費
食費・外食費・水道光熱費・日用品費・被服費(服、靴、バッグなど)・クリーニング代・医療費・美容理容費・お化粧品代、レジャー費(趣味やお出かけ)

イベント費
冠婚葬祭・記念日・プレゼントにかかるお金・お中元・お歳暮・お年玉・帰省・旅行・リフォーム・賃貸の更新料・引越し代金・家具・電化製品・車などの買替・車検費用・タイヤ代

それぞれ特徴がありますので、ツボをおさえてコントロールしましょう。

固定費について

固定費は、毎月決まった日に決まった金額を支払うタイプのもの。口座引落にしていれば、支払日を忘れてしまっても、銀行が勝手に支払ってくれます。

一度このグループに入ってしまうと、支払うのが当たり前と思えてしまうから不思議です。

理由の一つとして、私たち人間は「現状維持が大好き」という心のメカニズムによることがわかっています。

例えばスマホの料金プラン。

会社が次々とお得なプランを出しているのだから、よほど不利な条件でなければ、少しでも安いプランに早く替えた方が得なはずです。

だけど、実際はなかなかそうしませんよね。

今の環境を変えると得をするとわかっていても、変化することに不安や違和感を持ってしまうと、結局そのままにしてしまう。「手続きが面倒だから」と理由をあとからつけ足して、自分を納得させることもあります。

クオリティが同じなら「安いものにかえる」「いらないものは解約する」

薄々感じているのだから、あとは変える勇気を持つことが大事です。

家計をストレスなく健全な状態に保つには、がっちり現状維持で固められた「固定費」にメスを入れることが初めの一歩です。

変動費について

食費や日用品、身の回りのものや趣味など、変動費は「やりくり費」とも呼ばれます。

努力と忍耐、心がけ一つで何とか削減できそうな費目ですね。

だけど、現実はなかなか難しいのです。
例えばこんなこと、心当たりはありませんか?

  • 値札が赤いと、ついつい買ってしまう
  • 1980円に魅力(お得感)を感じる
  • 駐車料金が無料になるまで買い物をする
  • スーパーレジ横の棚でつい小さなものを買ってしまう
  • 「無料」に弱い

これ自体がいけないのではなく、人がお得に感じる心のメカニズムをしっかり活用して、よりたくさん買ってもらえるように、売る側は常に工夫をしているということ。

街中がお得に感じさせるトラップだらけですが、私たちはいちいち気にもしませんよね。

つまり、お得加減や必要なものかどうかは、普段わりと適当に判断しているし、その効果は大きい時もあれば小さい時もある、正確にアテにできるものではないということです。

色々買い過ぎて食費がオーバーしてしまったり、一目惚れして衝動買いをしてしまったり、とにかくパーッと遊んで使ったり、たまにそういう時があっても大丈夫。ものすごく厳格になる必要はありません。

忙しい生活の中でも実行できる現実的な予算を立てて、その中で収まることを意識しましょう。

変動費は、明らかに慢性的な無駄でない限り、大きく節約しようと頑張りすぎないことがポイントです。

イベント費について

発生するタイミングがまちまちだけど、ある時は大きく、しかも重なったりする突発的な費用ですね。

いつかは必要になるものなので、ざっくりまとめて金額を出してみましょう。

予定通りにいかないことも多いので、あまり細かく考えなくても大丈夫です。

大体の目安がわかったら、その分も貯蓄する金額に組み入れ、月々の自動積立でできるだけ貯めていきましょう。

家計簿はざっくり、無理をしない

家計簿が苦手という人は少なくありません。

まず、毎日つけなければいけないし、従来の紙の家計簿だと、レシートを保管したり、集計するのが大変です。

エクセルで計算するとか、レシートを撮影してアプリに入れる方法もありますが、それでもやっぱり面倒。

そもそも家計簿は何のためにつけるのでしょうか?毎日の収支を「記録」することが目的ではありませんよね。

家計簿は、家庭の収支を「プラス」にするためにあります。

振り返りをして、多く使ってしまった月は原因を把握し、翌月に活かす。これを繰り返すことで上手にお金を使えるようになるはずです。

しかし。

いかんせん面倒くさい。続けること自体が大変なツールですよね。

そこでおススメなのが、月に1回だけ日にちを決めて、家計全体の残高のみを確認する方法です。

やり方はとてもカンタン。すべての銀行口座を書き出し、その時の残高を記録するだけです。投資信託などを持っている場合は、目安として評価額を記入しておきましょう。

最初だけエクセル等で表を作り、あとは前月分をコピーして数字だけ更新すればOK!

何にいくら使ったかはあえて記入せず、前月と比べて「残高」の変化だけを確認します。

行を合計すれば全財産がパっとわかるし、年単位でのお金の推移も把握できます。

月1回くらいなら、ファイルを開いて収支の確認、できそうでしょう?

何にいくら使ったっけ?という使い道の把握には、日頃の支払いを電子マネーやクレジットカードに切り替えるのも良い方法ですよ。

現金派の人は少し抵抗があるかもしれませんが、クレジットカード等のアプリはなかなか便利でおすすめです。

ほぼタイムリーに(遅くとも数日で)使ったお店や金額がアプリに登録され、何もしなくても自動で家計簿ができあがります。

昔は「見えないお金」と敬遠されていましたが、今やクレジットカードは、現金よりもはっきり見えて、記録まで残るお金に変化しました。

いろんなところでポイントも付くので、お得ですしね。

便利で使い過ぎてしまうのが心配であれば、利用限度額を下げておくのも一案です。カード会社に電話をするか、ネットで簡単に変更することができます。

カードの利用限度額とは

利用限度額とは、クレジットカードで使える上限金額のことで、利用者ごとに審査で決められます。

現金と違って、クレジットカードは後払いなので、利用した瞬間から支払いが完了するまでに、長いと2ヶ月くらいのタイムラグが生じます。

その間、カードを利用した分は「まだ支払っていないもの」として積み上げられていき、決済日に無事引落が完了すると未払い金額から消える、ということを繰り返します。

カードを利用できる金額は、あなたの利用限度額(上限金額)から「まだ引落が終わっていない金額」を引いた額です。

ざっくり前月・当月の2ヶ月で使った額は、「まだ支払いが終わっていない金額」と考えておきましょう。

正しい保険の入り方

保険はよくわからないという声は本当に多いです。

保険は本来、とてもシンプルなしくみなのですが、色々な機能を多重装備した保険商品が巷にあふれていて、比較することすら難しくなっています。

保険を考えるうえで重要なポイントはただ一つ。

「保険で備えるべき優先順位」を決めることです。

まずは、「いつ起きるかわからない」 かつ、もし起きたら「自分ではとても賄えないお金がそれからの生活に必要になる」最も深刻な事態を想定しましょう。

例えば、小さいお子さんがいる若いパパや、共働きのママが万が一亡くなってしまうな場面です。

この場合、いくら貯蓄がしっかりできている家庭でも、お子さんが独立するまでの教育費や収入の不足分を補うのに必要なお金は、数千万単位で考える必要があるでしょう。

ここは保険の出番です。

保険は「相互扶助」、助け合いの精神が土台になっています。

万が一の時には助け合いましょう!という考えに賛同する人達が、少しずつお金を出し合って、保険という「みんなの貯金箱」にお金を貯めていくイメージです。

その一人一人の少しのお金(保険料)が、いざという時には大きなお金(保険金)になって、困った人を助けてあげることが「保険にしかできない役割」です。

貯蓄ができたり、日帰り入院や通院にも給付金が出たり、老後の年金になったり、保険って何でもできるんだ!という風に考えると、保険本来の「少しのお金を払う→困った時に大きなお金にかわる」というすごい機能が十分活かされないまま、保険料ばかり膨らんで、お金がいくらあっても足りません

本当に保険でないとダメな場面は、人生において限られています。

自分のお金だけでは立ち往かなくなってしまうような時です。

そこは期間を決めて、しっかり備えておく必要がありますね。

逆に、あれもこれも少しずつ、漫然と保険をかけ続けるのは得策ではありません。

例えば人気の医療保険。

「毎月2000円くらいならまぁいっか」と考えられがちですが、実際どれほどのメリットがあるかは数字でとらえることが重要です。

たとえば、30才で加入し、40才の時に1ヶ月(30日)間の入院をした場合、以下のような条件の医療保険では支払う保険料の方が多い計算になります。

保険料:月額 2000円(10年で24万円支払う

給付金:入院1日あたり 5000円(30日入院すると15万円もらえる

入院した時にもらえるお金はありがたく感じるものですが、15万円もらっても、保険料を24万円支払っているのだから収支はマイナスです。

毎月2000円を貯蓄しておいて入院費にあてる方が良かったことになりますね。

加入してすぐに入院する等、プラスになるケースも考えられますが、そうなるかどうか事前にはわかりません。

大切なのは、「もしそうなった場合、自分のお財布から出せる金額であれば、わざわざ保険に加入する必要はない」ということです。

生きていくにはたくさんのお金がかかり、数えきれないほどのリスクがあります。

お金の相談をする相手が「保険屋さん」である限り、もらえる答えは何らかの「保険」であるはずで、「あなたに保険は必要なさそうですね」という提案はあり得ません。

だから、あなた自身が「どうしても保険でなければダメ」と思うものだけにしぼって、期間限定で加入する、そんな感覚をぜひ持ってください。

投資って何をするの?

投資って何だか難しそうとか、危険なイメージがあるかもしれませんが、本当のところはどうなのでしょう?

結論から書きますと、投資は普通の生活者でもごく自然に行えることで、特別なスキルが必要なものではありません。

ただし、基本的な方法は始める前にしっかり押さえておく必要があります。

投資信託について

預金・株式・債券・投資信託・保険・不動産など、金融機関が扱う商品を「金融商品」といいます。

個人が資産形成をする場合は、金融商品の中でも「投資信託」がおすすめです。

投資信託とは、みんなから少しずつお金を集めて、そのまとまったお金で、運用会社が株や債券に投資する商品で、「ファンド」と呼ばれることもあります。

1つの投資信託の中には、色々な国や会社の株・債券等が詰め込まれていて、中身が見える福袋のようなもの。その福袋の一部を、個人でも好きな分だけ購入できる(100円や500円からOK)、一般人にやさしい商品なのです。

利益は、組み込まれている金融商品の利息等が少しずつ積み上がったり、株式や債券、不動産などの価値そのものが上がることで生まれます。

投資のスタイル① 短期売買

どんな投資信託でも、価格は一定ではなく、常に上がったり下がったりしてます。

その価格の上下を予想して、「上がりそうなものは買いたい、下がりそうなものは売りたい」という考えで短期間に売買を繰り返すことを、短期売買といいます。

価格は人の気持ちで動いています。

バブルが来れば買いたい人が増えて価格はどこまでも上がり、なんとかショックが起きれば売りたい人が続出で価格はどこまでも落ちていきます。

過去のことは簡単にわかりますが、将来の価格がどうなるかを事前に当てるのはとても難しいし、長く正確に続けられることではありませんよね。

だから、短期売買は投資の一つではあるけれど、手を出さないのが無難です。(当てるゲームが好きで、趣味で楽しむのはいいけどね)

投資のスタイル② 長期投資

長期投資は、ゆっくり時間をかけて利益を育てていく方法です。

育てるといっても、一度買ったものに対しては何もすることがないので、普通に仕事をして、投資の成績などは忘れていても問題ありません。

短期間で売買を繰り返すのではなく、一度買った商品を長く持ち続けることで、お金は増えやすくなります。利息にも利息がつく「複利」の効果があるからです。

たとえば、年間3%プラスが期待できる投資信託があるとします。

これに10万円投資 → 翌年には3000円の利息がついて、10万3000円になりますね。

翌々年は10万3000円が元本 → これに対する利息が3090円、合計10万6090円になります。

「元本+利息=翌年の元本になる」を繰り返し、10年後には約13万円、20年後には約18万円、40年後には当初の10万円が約33万円に成長します。

短期間では効果は薄く、長期になるほど複利の効果は大きくなります。

ただし、毎年必ず3%プラスが約束される投資信託はなくて、実際には、これより下がる年もあれば、もっと上がる年もあります。

グラフでイメージすると、価格は一直線ではなく、必ず折れ線で変化するということですね。

価値が「変動する」「下がることもある」のは絶対イヤ、受け入れ難いという場合は、無理に投資をする必要はありません。

性格的に合う・合わないって、何においても見過ごせない要素ですから、イヤじゃない方法を選ぶ方が断然いいです。

長期投資とは、経済の成長を信じること

そうは言っても「下がるリスクもあるのに長期間投資?」と何となく腑に落ちない思いに、一つの考えを紹介したいと思います。

さわかみファンドの創設者・澤上篤人さんが、講演でこんなお話をされました。

日本は少子高齢化ですが、世界全体ではこれからも人口が増え続け、2050年には97億人(2019年比で26%増)と予測されています。

貧しい国では、もっと豊かになるために、日々すごい勢いで開発が進んでいます。

すでに豊かな国においては、お風呂に入れないような不便な生活なんて考えられないし、誰も望みません。

どちらの地域にあっても、人はより豊かな暮らしを目指して生きています。

経済は、毎日私たちが使うモノやサービスの上に成り立っているので、世界の暮らしが良くなると、それに伴って経済も成長していきます。

途中、停滞したり、落ち込んだりすることは何度もあるけれど、何十年という長い期間でならしてみるとゆっくり上昇してきたし、これからもそうだろうと信じる気持ちが、経済を成長させるし、長期投資という考え方の根底にあるのです。

 

私はこれで、すーっと胸元のつかえが取れたような気がしました。要は信じる、信念を持つということなのかなぁと。

そういえばお金って、紙や金属を、これがお金だよ!と信じることで成り立っていますよね。

個人の投資においても、自分に合ったブレない芯を持つことが大切なのだと思います。

銀行や保険営業マンとの関わり方

銀行や保険会社も、利益を出して成り立つビジネスです。

「無料投資アドバイス」や「無料保険見積もり」は、それをきっかけに売りたい商品があってこそのサービスですよね。

営業パーソンから紹介される金融商品は、手数料が高いものだったり、買うつもりじゃなかったものまでつい契約してしまったり。場面が何となく想像できるのではないでしょうか。

金融機関だから安心、いつでも自分の味方になってくれるはずだから何でも相談しよう(しかも無料!)というのは、いささか危険な思い込みです。

金融機関の窓口では「販売」のプロに相談していることを忘れてはいけません。

保険セールスの現場では、プロらしからぬ導き方をされているこんな事例もあります。

  • 国の年金はアテにならないから省きましょうなどと、公的年金の試算を一切行わずに保険を提案する。
  • 外貨建て商品の為替リスクについて十分な説明をしない。もしくは楽観的な見込みしか伝えない。
  • 法人税や相続税対策として提案するのに、税務知識が間違っている。顧客にとって正しい対策にならない。

全員がそうではないし、誠実に対応する保険パーソンには失礼な言い方かもしれません。

だけど、相手も必死だからこそ、消費者として「自分の身は自分で守る」姿勢が重要だと思うのです。

「おすすめはなんですかー?」

居酒屋で本日のおススメを聞くならいいけれど、金融商品の提案の場ではNGです。

金融機関に出向いたり、営業マンと相対するのは、「これが必要だから買う」と心に決めてからにしましょう。

最近では、多くの場合、ネット銀行・ネット証券・ネット保険で十分(むしろ合理的に)事足りることも書き添えておきます。

時間を味方にしてお金持ちになる

お金を増やすのに一番大切なものは何でしょう?

これは私の失敗談になりますが、失敗には多くのヒントが隠れていると思うので、恥ずかしいけれど紹介しますね。

私が初めて投資信託を購入したのは、2007年のことです。

比較的景気もよく、「預金以外にお金を投じてみるのもいいかなぁ」なんて軽い気持ちで銀行の窓口に出向きました。

おすすめされた「毎月分配型」というお小遣いのようなお金が出るタイプを購入し、1年くらいは気分良くいましたが・・・

2008年秋のリーマンショック以降、価格は徐々に下がっていき、数年後には40%ほどのマイナスになってしまいました。

預金よりも少し増えたらウレシイくらいの感覚で購入したものが、増えるどころか大幅な含み損を抱える状況は、かなりのストレスです。

投資なんてしなければよかった・・・

後悔の嵐でしたが、事実は変えようがありません。

その頃から、他にもお金の心配ごとが増えて、色々調べたり、聞いたりするうちに、もっと前に知っておかなければならないことがたくさんあったんだと気がつきました。

下がり続ける投資信託は、いつか回復するまで待つしかないと半ばあきらめていましたが、あるFPのセミナーでこんなことを教えてもらいました。

あなたはこの先、何年投資を続けるつもりですか?

これから何十年も投資という行いを続けていくのなら、今はまだ最初の数キロを走ったくらいです。

今のマイナスがもったいないからといって、良くない商品を持ち続けていると、「時間」を無駄にしてしまいます。

これから先も持ち続けていたいと思える「良い商品」に少しずつ資産を移動して、長くゆっくり投資を続けて、それで成長を待てばいいんですよ。

 

投資という、今から将来にわたってお金を育てる行いには、原資となるのお金のほかに、「時間」という要素がとても重要なんですね。

結果、その投資信託は解約して、2年かけて他の投資信託(手数料が安く、毎月分配型ではないインデックスファンドを、毎月積立でネット証券で購入)に移行しました。

元本割れした商品を解約すると、損失を確定することになります。

マイナスだから決して良い結果ではないのだけど、質が良くない商品と縁を切って再スタートできる、その点では清々しい気分でした。

将来は不確実で、必ずこうなるという約束はそもそもできません。

だけど、もし失敗しても、「時間」を持っていれば取り戻すチャンスがあるということ。

できればはじめから失敗しないためにも、ぜひ心に留めておいてくださいね。

おわりに

私たちは、できるだけ損をしないように生きているつもりでも、実際はいろんなところで不合理な判断をするものです。

たまにパーッとお金を使うのも、ストレス解消だったり、生きる楽しみだったり、それはそれで必要なことですよね。

ぜひ覚えておいていただきたいのは、「お金をコントロールするしくみを作る」ということです。

たとえば定期的な積立や、クレジットカードの利用限度額の設定など、自分のルールが自動的に守られるような工夫をしたり、毎月の固定費に無駄がないかどうかを、先入観にとらわれずに検証してみたり。

少し面倒だけれど、世の中にうまい話はないわけで、ある日魔法のようにお金が増える絶対確実な方法はありませんが、心の命ずるままにならないしくみは、長い目で見ると大きな違いをもたらしてくれます。

あなたの中のモヤモヤしたものが少しでも解消され、身の回りのできることからやってみよう、そんな小さなエネルギーの発端になれば幸いです。