お金の心配、減らせます! 高校生からチェックしたい修学支援新制度
学費の負担を軽くする国の支援策に「高等教育の修学支援新制度」があります。
収入に応じて、授業料等の減免と、返還不要の奨学金を両方受けることができる制度です。
扶養する子どもが3人以上いる「多子世帯」は、所得制限がなくなり、世帯年収にかかわらず授業料・入学金の減免を受けられるようになりました。
きょうだいが多いご家庭はぜひ一度ご確認ください。
修学支援新制度でできること
修学支援新制度には、2つの支援があります。
- 授業料・入学金の減免(所得要件あり)
- 給付型奨学金(返済不要のお金を毎月受け取れる)
ただし、扶養する子どもが3人以上いる「多子世帯」は、所得にかかわらず、授業料・入学金の減免を受けることができます。
対象になる学校
全国の大学、短期大学、高等専門学校(4・5年)、専門学校のうち、文部科学省が指定した学校が対象です。
具体的な学校・学部名は、文部科学省のHPで確認できます。
対象者の要件
支援を受けるには、次の4つの要件をすべて満たす必要があります。
- 家計の要件(世帯の所得・資産が基準内であること)
- 学業成績・意欲の要件(一定以上の成績と、学ぶ意欲があること)
- 国籍・在留資格の要件(日本国籍がある、または永住する意思があること)
- 進学までの期間の要件(高校等卒業から2年以内に進学すること)
学校ごとの人数制限(推薦枠)はなく、要件を満たす人は誰でも申し込めます。
家計の要件(所得)
家計には「所得」と「資産」の二つの要件があります。
住民税非課税世帯・準ずる世帯
世帯の所得に応じて支援額が変わり、非課税世帯に近いほど支援額は手厚くなります。
| 子の数 | 第1区分 | 第2区分 | 第3区分 | 第4区分 |
|---|---|---|---|---|
| 1人 | ~約220万円 | ~約300万円 | ~約380万円 | ~約640万円 |
| 2人 | ~約270万円 | ~約300万円 | ~約380万円 | ~約640万円 |
| 3人 | ~約360万円 | ~約450万円 | ~約520万円 | ~約740万円 |
- ふたり親世帯の両親の年収を合計した目安額です。(ひとり親世帯は、上記よりも対象範囲が広くなります)
- お子さんの年齢や家族構成によって、対象となる年収の目安は変わります。
- 実際の判定は、年収ではなく住民税額で行われます。
子ども3人以上の多子世帯
扶養する子どもが3人以上いる世帯は、世帯年収にかかわらず授業料・入学金の減免を受けられます。
ただし、上限額がある点にご注意ください。
- 入学金の減免は上限25万円まで(1年生前期の申請のみ)
- 授業料の減免は上限70万円まで(全額無償ではありません)
※ 多子世帯の所得要件撤廃は、授業料・入学金の減免のみが対象です。給付型奨学金(毎月の現金支給)を受けるには、所得区分に該当している必要があります。
家計の要件(資産)
収入だけでなく、学生本人と生計維持者が持っている貯金や株などの資産も、審査項目になります。
「資産」とされるのは、現金・預貯金・有価証券等(投資信託を含む)で、マイホームなどの不動産は含まれません。
また、住宅ローンなどの借入金があったとしても、資産から差し引くことはできません。
住民税非課税世帯等:5,000万円未満
多子世帯の授業料等減免:3億円未満(あわせて給付型奨学金も受け取る場合は5,000万円未満が基準)
学業成績や意欲の要件
学業成績も審査の対象です。
申込時だけでなく、支援を受けている間も、ちゃんと勉強しているかどうかが定期的にチェックされます。
「ずば抜けて優秀」でなくても大丈夫ですが、一定の成績と、学ぶ意欲があることは必要です。
なお、高校在学中の申込み(予約採用)を逃した場合、進学後に申し込むこと(在学採用)もできます。
支援額でいくら変わる?
あらためて、この制度の支援内容は「授業料・入学金の免除・減免」と、返済不要の「給付型奨学金」です。
世帯構成や収入などに応じて、受けられる支援額が異なります。

- 文部科学省「所得に関する要件と目安年収」より抜粋し作成
- 図はふたり親・子ども2人(高校生)の世帯の例。年収の目安は、世帯構成によって変わります。
- 子ども3人以上の多子世帯は、所得にかかわらず授業料・入学金の減免が受けられます。(ただし上限あり。給付型奨学金は所得区分によります)
給付型奨学金の月額
学生本人に、毎月決まった額が振り込まれます。(返還の必要はありません)
| 大学 | 自宅通学 | 自宅外通学 |
|---|---|---|
| 国公立 | 29,200円 | 66,700円 |
| 私立 | 38,300円 | 75,800円 |
- 短期大学・専門学校もほぼ同水準、高等専門学校(4・5年)はこれよりやや低めの金額になります。
授業料・入学金の減免
減免の対象になるのは授業料と入学金のみ、施設設備費や実習費などは含まれません。
また、入学金が減免されるのは、実際に進学する学校の分だけです。(併願していた他校の分は対象外)
下表は、入学金・授業料のうち免除・減額される金額の目安(年額)です。
| 区分 | 国公立 | 私立 | ||
|---|---|---|---|---|
| 入学金 | 授業料 | 入学金 | 授業料 | |
| 非課税世帯 | 約28万円 | 約54万円 | 約26万円 | 約70万円 |
| 多子世帯 | 約7万円 | 約13万円 | 約7万円 | 約18万円 |
- 私立の理工農系学部に進学し、世帯年収が600万円程度までの世帯も、一部対象になる場合があります(文系との授業料差額分のみの、少額の減免です)
- 短期大学・高等専門学校・専門学校は金額が異なります。くわしくは文部科学省HPでご確認ください。
なお、これとは別に、卒業後に返還が必要な「貸与型」の奨学金については、別記事にまとめています。

支援の打ち切り・注意点
毎年、学業成績・収入・資産の判定が行われ、場合によっては支援の打ち切られる可能性があります。
- 修業年限で卒業できないことが確定した
- 取得単位数が標準の5割以下
- 出席率が5割以下など、学ぶ意欲が低いと学校が判断した
- 休学したとき など
当たり前ですが、ちゃんと授業に出席し、真面目に勉強することが前提の制度です。
利用までのスケジュール
大学入学時から支援を受けたい場合、その1年前から準備が始まります。
本格的な受験モードに入るよりも先に、お金の準備が始まるんですね。
高3の春には高校から案内がありますので、希望する方はスルーせずに、学校からのお知らせを確認しておきましょう。

なお、正確な金額や最新の適用条件は、文部科学省・日本学生支援機構(JASSO)の公式情報でご確認ください。
まとめ
3人以上お子さんがいるご家庭は、2025年度からの制度変更で新たに減免の対象になっている可能性があります。
受験勉強と並行して、進学にかかるお金の準備も抜かりなく進めていきましょう。
受験に限らず、大きなイベントの1年前にはお金の見通しがついている、そんなペース作りをしておくと、慌てずにすんでイイ感じです。


