保険あれこれ

保険の見直し|リアルに失敗した保険の入り方・私の場合

お金のことって、いつ、どこで知るのが良いんでしょうね。

たとえばカードの使い方や保険の考え方。

社会に出ると、わりとすぐに、カードを使ったり、保険の勧誘を受けたりすることがあると思います。

それまで何も教わってこなかったのに、20才くらいになると、急に「大人なんだから知ってるはず」という流れになぜか乗り、見よう見まねで保険に入る。私もそうしていました。

結果、自分で選択したつもりの保険が、実際は営業マンにリードされたまま、全然分かっていなかった、という悪い実例を振り返ってみました。

おススメされるままに保険に入ると・・・

とりあえず「結婚したら保険を見直さなければならない」と信じて民間保険に加入した時のことです。

当時はこんな風に思っていました。

  • どうせならお金も貯まる保険がいいな。(特に深い理由はない)
  • 将来病気になるかもしれない、女性特有の病気なんてめちゃ心配。よって医療保険は必須
  • 亡くなった時のお葬式代には終身保険が必要らしいので、入っておこう。

保険会社の営業マンとの面談冒頭「いざという時、お金のことは誰も助けてくれませんからね」

うん、たしかにそうだ。

将来起こるかもしれない不幸な出来事の数々、想像すればするほど気持ちが大きく揺さぶられ、「それは大事」「これも必要」と、こちらも前かがみになっていきます。

安心して暮らすには、あんな保障やこんな保障、どれも外せないような気持ちになりました。

さすがに全部入ったら保険料が月20万円くらいになってしまうので、家計的に払えそうなところで、結局6本の保険に加入しました。

【夫】終身保険、家族収入保険、三大疾病特約つき医療保険

【私】終身保険、利率変動型ドル建て終身保険、医療保険

振り返ると、加入当時、世の中はわりあい景気が良く、その後の大暴落なんて想定しづらい雰囲気でした。

保険マン曰く「外貨建てのものは為替のリスクがありますが、利率が高いし、1ドル80円にでもならない限り大丈夫ですから」

そうだよね、大丈夫、大丈夫。保険も入ったし、これで安心。

そう信じた最初の保険の見直しでした。

これでいいのか?と疑問に思ったきっかけ

それから数年が経ち、リーマンショックによって世界経済は大混乱に陥ります。

その後円高もぐんぐん加速し、1ドルは75円を割り込みました。

「うそでしょ。1ドル80円より更に悪いけど・・・ 」

無論、勝手にそうならないと思い込んだのがいけないのであって、いつの時代でもこういうことは起こり得ます。

ちょうどこの頃、家族が増え、家を購入したりと環境の変化も重なり、「あれ?払える保険料を基準に、広く浅く保険に入ったけど、これでいざという時にウチは本当に救われるのか?」と疑問に思い始めました。

毎月の保険料は、家計においてしっかり存在感があります。

この保険料にホントに見合った内容なのか、外貨建ての保険ってそもそも何で入ってるんだっけ・・・ リート型? 何故・・・? 

加入している保険の内容も、それに決めた理由さえ、自分のことなのに実はよく分かっていなかったんです。

ただ、なんか違うのかも、と思ったらソワソワ落ち着きません。

漠然とだけど、もっと良い方法があるかもしれないし、もう一度考え直した方が良さそうと思いました。

自分なりにやってみたこと

ただ、もう一度見直すにしても、何を基準にしたら良いのかがわかりません。

モヤモヤの中、とりあえず思いついたことをやってみました。

有料でFPに相談

家計全般、今後の人生相談も含めて、初めてファイナンシャルプランナーの有料相談を受けました。

当時、私はまだFPではなかったので、緊張しながら相談に行ったのを覚えています。

自分だけで考えていると堂々巡りが止まらないので、第三者の意見を聞くことは価値ある経験でした。

作ってもらったキャッシュフロー表も、将来のお金が見えるなんてすごい~と感動。

だけど結局、提案された保険には加入していません。

正直、これまでの保険の入り方との違いがはっきり分からなかったからです。

担当営業マンに再度相談

保険が足りないのかも?!という考えも捨てきれず、あらためて保険屋さんに相談してみました。

結果、個人年金保険を提案されました。

あれ・・・?(今なら笑えるけど、当時はますます混乱)

保険のしくみに関する本を読む 

保険のしくみや業界の事情等について、元保険マンが綴った本に出会い、読んでみました。

どれに入ったらいいのか?ではなく、そもそも民間保険は絶対必要なのか?という視点で書かれたものです。

結論、これだ!と思いました。

保険は便利でお得なもの、というそれまでの認識が覆り、本質とは違うことを信じていたことに気が付いたんです。

その後、営業マンではない保険のアドバイザー(本の著者)に直接相談をして、保険で貯蓄することをやめました。スッキリ!!

再度見直した結果

それまでの保険はほとんど解約し、新たに期間限定で定期保険に加入しました。

万が一の時、終身保険の給付金じゃ全然足りないじゃん、と分かったからです。

定期保険の目的は、子どもが学校を卒業するまでの間、親が亡くなった場合にのみ保険で備える、というシンプルなものです。

いつ、どうなったら保険がおりるのか、迷いようがありません。

それ以外は、保険ではない手段(貯蓄や投資信託の積立)で貯めていくことにしました。

この選択をするにあたり、思い立ってから実際に解約するまで、2年近くの時間がかかりました。

新規契約はどこの保険にしようか、定期保険だけでも一応あれこれ悩むし、解約した直後に病気になったら嫌だな…という不安はなかなか消えないしで、決断を先延ばしにしていたからです。

頭では何が合理的かわかっているつもりでも、心のブレーキがかかっていたんですね。

見直し後も、高額療養費制度(医療費が一定額を超えた場合、申請すると払い戻しを受けられる公的制度)があるとはいえ、民間の医療保険がないと、どうも守られていないような感覚は多少なりともあったりします。

これは多分理屈ではなくて、みんな入っているものに自分だけ入っていない、だから不安、そんな類の心理状態なのだと思います。

だけど「保険にしかできないことは保険で、そうでないことは保険じゃなくていい」という、この形に決めた理由を思い出すと冷静になることができます。

保険には過度に期待せず、どんなことにも自由に使えるお金(=貯蓄)とは分けて考えるようにしています。