4:資産形成・投資

2024年からの新NISA 枠が拡大&シンプルで利用しやすくなります

2024年以降、NISA制度が新しくなります。

現在の3種類のNISAをシンプルに一本化したうえで、期間限定の縛りをなくし、投資できる枠も大きくなることが決まりました。

新しいNISAの概要と、押さえておきたいポイントを整理しました。

現行NISAの概要

投資信託などの金融商品は、通常、利益から約20%の税金を差し引かれます。

ですが、NISAを利用すると、株式や投資信託などで得た利益(配当や売却益)に税金がかかりません。大きなメリットですね。

現行のNISAは、3つのタイプに分かれています。

  • 低コスト投資信託等に限定した、非課税期間20年のつみたてNISA
  • 非課税期間が5年の一般NISA
  • 未成年向けのジュニアNISA(年間投資枠は80万円、2023年末で終了)
つみたてNISA一般NISA
非課税期間20年5年
年間投資枠40万円120万円
非課税限度額800万円600万円
対象商品一定の投資信託上場株式、投資信託、ETF

2023年末までにジュニアNISAで投資した商品は、5年間の非課税期間が終了しても、18歳になるまでは非課税措置を受けることができます。

新NISAの概要

現行NISAは、一定期間のみ非課税になるため、非課税期間終了後のしくみがわかりにくいことが難点でした。

今回の改正では、新しいNISAとして一本化され、期間等の制限も大幅に改善されます。

つみたて枠成長投資枠
非課税期間期限なし期限なし
年間投資枠120万円240万円
非課税限度額1800万円成長投資枠は1200万円(内数)
口座開設期間いつでも可いつでも可
対象商品つみたてNISAと同じ原則、一般NISAと同じ
対象年齢18歳以上18歳以上

成長投資枠で購入できる商品は、現行の一般NISAと同様ですが、以下のものは除きます

  • 整理銘柄(上場廃止が決まった銘柄)、監理銘柄(上場廃止になりそうな銘柄)
  • 信託期間が20年未満の投資信託
  • 高レバレッジ型(レバレッジを利用し、少ない金額で資産運用して、何倍もの投資成果を狙う投資信託)
  • 毎月分配型(1ヶ月ごとに決算を行い、収益等の一部を毎月分配する投資信託。分配金が支払われる分、資産が増えにくく、投資効率が悪くなります。)

長期間、より安定した資産形成ができるように、ブレ幅が大きいものや、投資効率が悪いものは対象商品から外されます。

新NISAで変わること

新しいNISAは、なるべくシンプルで、使いやすい制度になるように、大幅に内容が見直されています。

以下、4つの大きな変更があります。

① 年間投資額が最大360万円

現在は「一般NISA」と「つみたてNISA」どちらか一方しか選べませんが、2024年以降は1つの制度の中で上記2つを併用できるようになります。

積立だけでなく、スポットでの買付も可能になるので、余裕資金が増えてきた人が短期間で株や投資信託を購入する時なども有効に使えますね。

1年間に投資できる金額は、成長投資枠で240万円(現行の一般NISAの2倍)、つみたて投資枠で120万円(現行のつみたてNISAの3倍)、最大360万円になります。

年間の投資限度額を超えて、再投資することはできません。(これは現行制度と変わらず)

例えば、1年間で成長投資枠の上限240万円まで投資した後、その年内に40万円分売却して、新たにその分を買い足す、ということは不可です。

② 非課税限度額が最大1,800万円

現在の非課税限度額は、一般NISAで600万円(120万円×5年)、つみたてNISAで800万円(40万円×20年)と、タイプごとに設定されています。

新しい制度では、1人あたりの非課税限度額が1800万円(このうち成長投資枠は1200万円まで)となり、金額は「商品を買った時の価格(簿価)」で管理します。

例えば、年間360万円ずつ投資をした場合、5年で上限の1800万円に達します。

この時点では、新たに投資できる枠がない状態ですが、このうち300万円を売却すると、翌年には300万円分の枠が空き、その分は再投資できるようになります。

車や住宅資金、教育費などで支出が多い時は投資額を抑えたり、投資で積み上がった資産の一部を売却することもあるでしょう。

その後余裕ができたら、年間投資枠と非課税限度額の範囲内であれば、再度積極的に、非課税枠を利用することが可能になります。

③ 非課税期間が無期限に

現行の一般NISAは、非課税期間が5年です。

利益が出た場合、下がるリスクを避けようと、この非課税期間内に売却するケースが多い(結果的に短期間の投資で終わってしまう)のが残念なところでした。

6年目に新しい枠に引き継ぐこと(ロールオーバー)も可能ですが、そのタイミングでどうしたら良いか検討が必要な点は、難しいとかめんどうに感じる方も多いでしょう。

新制度ではこの制限がなくなり、期間を気にすることなく、長く(好きなだけ)継続できるようになります。

④ 制度の恒久化

一般NISAは2023年まで、つみたてNISAは2042年(新規買付は2023年)までと、現行のNISAは期限つきの制度でした。

新しいNISAは恒久化されますので、いつでも始めることができます

現行制度との関係

新NISAの生涯の非課税限度額(総枠)は、現行制度とは別枠とみなされます。

そのため、2023年末までに一般NISA、つみたてNISAで投資した商品は、現行制度での非課税措置が適用されます。

一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間、非課税で保有することができ、この期間が終了したら、一般の課税口座に移すか、売却することになります。(新しいNISAに移すことはできません)

新しいNISAは、全員が資産額ゼロからのスタートになります。

制度の恒久化、投資枠の拡大で、個人の資産形成はいよいよ本格化しそうですね。

よく言われることですが、投資の世界に、絶対に安全でお得な方法はありません。

時間をかければ成功するという「約束」もできないのが現実ですが、それでも、普通の生活者が少しずつ資産を増やすのに最低限必要なものは、「元手となるお金」と、できるだけ長く運用する「時間」と思います。

新しいNISAに比べると、現行制度は制限が多く、使い勝手が悪いところはありますが、今年こそ投資を始めよう!と心の準備ができたなら、少しでも早く始めてみることをおすすめします。