普段の生活の中でも、モノの値段が上がっていることを実感するこの頃。
歴史的な円安、物価上昇は、ニュースでも大きく取り上げられ、何だか不安な気持ちになってしまいますよね。
日本は長らくデフレ(低成長)状況にあって、賃金が上がりにくく、家計の所得も上がりにくい状態が続いてきました。
高齢者の人口比率が高く、モノの値上げには消極的でしたが、今年(2022年)からは世界情勢も加わって、様々な商品の値上げが行われています。
原油などのエネルギー価格はしばらく高い状態が続くと予測される中、家計単位でできることは何かをまとめました。
今こそ固定費の見直しを
物価高で日々の家計を圧迫している主な品目として、石油製品や食料品が挙げられます。
いずれも光熱費や食費、交通費といった生活に欠かせない費用で、毎月確実に削減するのはなかなか大変ですね。
一方、毎月決まった金額を支払う保険料や教育費(お習いごと)、通信費などはインフレの影響をあまり受けない固定費ですので、ここをいかに無駄なく抑えるかがポイントです。
例えば通信費。
スマホの料金プランは、以前よりもシンプルで安くなってきましたが、格安スマホの台頭で、サービスを提供する会社の選択肢が多くなってきました。
サービス提供会社は、自前の通信設備があるMNO(Mobile Network Operator/キャリアと呼ばれる)と、キャリアから回線を借りているMVNO(Mobile Virtual Network Operator/格安スマホ会社)に分けられます。
NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク、楽天モバイル
NTTドコモがahamo、au(KDDI)がpovo、ソフトバンクがLINEMOをそれぞれ提供。
原則対面サポートがなく、携帯ショップも利用できない代わりに、比較的低価格で提供しているため、オンラインで手続きできる方に適しています。
au(KDDI)がUQモバイル、ソフトバンクがワイモバイル。実店舗での対面サポートもあり。
イオンモバイル、mineo、IIJimo、OCNモバイルなど。キャリアよりも安いプランが豊富にありますが、店舗が少なくオンライン対応が主。
ネットワークの一部を借りているため、お昼休みや通勤時間帯、夜間等、通信が混み合う時間ではデータ通信の速度が遅くなることもあります。
毎月のスマホ料金は、一度見直しをして安いプランに変更すれば、その後はラクに節約効果が継続します。
ただし、固定回線(家のインターネット)や家族とセットで割引を受けている場合は、乗換えを行うと割引の条件が外れて、それぞれの料金が上がる可能性があります。
それでも、昔のままのプランでいるよりは、他の携帯会社へ契約変更した方が安くなる場合もありますので、固定回線や家族全員の契約変更も検討してみましょう。
インフレに負けない資産形成
銀行の定期預金金利が年0.002%程度、これでは元本以上にお金が育つことはありません。
100万円は何年経ってもほぼ100万円のまま、減ることはありませんが、将来モノの値段が上がった場合、その100万円で買えるモノが少なくなってしまいます。
日常生活や、数年以内に確実に支払わなければならない教育費、万が一の病気に備える予備資金などは、現金(預貯金)で確保しておくことが必要です。
まずは、手元に残しておくべき預貯金と、万が一の時に本当に役に立つ保険を整理した上で、物価の上昇に負けない資産形成も取り入れられると良いですね。
具体的には、世界の株式などに分散投資ができる投資信託を、つみたてNISAやiDeCoといった税金面で有利な制度を利用して、少しずつ積立てていく方法がおすすめです。
ただ、どんな投資信託でも、価格は上がったり下がったりと変動しますので、長く投資を続ける途中には、マイナスになる局面も何度か訪れることは織り込んでおく必要があります。
背負うリスクが大きくなり過ぎないように、預貯金との全体バランスを見ながら、投資する割合を決めましょう。
平均値ではない「自分の場合」で考える
老後に受け取る公的年金は、受給し始めると亡くなるまで終身で給付されますので、生活基盤としては頼りになります。
ただし、それだけでゆとりのある生活を送るのは難しそうです。
現在の公的年金制度には「マクロ経済スライド」という仕組みがあり、賃金・物価の上昇率が大きい場合、給付する年金額を少し減額する、といった調整が行われます。
物価の上昇に連動はするものの、その上昇率を上回ることはない(勝てない)仕組みです。
なので、将来物価が上がった場合、年金額が追いつかない分は、自分で何とかしなければなりません。
数年前「老後2000万円問題」が大きく取り沙汰されました。
年金だけでは毎月5万円足りない家庭(モデルケース)の場合、5万円×12ヶ月×30年で約2000万円必要になるという報告内容、それ自体は特におかしいことはないのですが、2000万円という部分だけが一人歩きしてしまいました。
大切なのは「5万円足りていない家庭であれば」というところですよね。
そんなに不足しない人もいれば、もっと必要な人もいる、そもそも老後の生活水準や受給できる年金額は、現役時代の働き方、収入、住む場所等々で、人によって異なります。
平均値で安心したり憤ったりすることに意味はなくて、自分の場合はどうなのか?
年金がどれくらいもらえて、それ以外にいくら必要なのかを、オンリーワンのケースで考えることが重要です。
その上で、今からどれくらい資産運用に回せば良いか、具体的にシミュレーションしてみると良いですね。
https://fp-megumi-office.com/2022/12/27/recommendation/