平成26年から実施されてきた住まい給付金(消費税率引上げの影響を緩和するための制度)が終了し、2022年1月から新しい補助金制度「こどもみらい住宅支援事業」が始まりました。
こどもみらい住宅支援事業は、より高い省エネ住宅を支援する制度です。
対象になる人と、対象になる住宅が限定された制度で、誰でも受けられるものではありませんが、これからマイホームを建てる、新築マンションを購入する若いファミリーは要チェックです。
スタートして間もない事業ですが、昨今の原油高、物価高騰による住宅価格上昇への対策として、申請期限が2023年3月末まで、5ヶ月間延長になりました。
ただし、より高い省エネ住宅を重点的に支援するため、「一定の省エネ性能を有する住宅」(相対的に省エネ性能が低い住宅)は、2022年6月末までの契約に限られます。
どんな人が対象になるの?
名称のとおり、子どもがいるファミリー、未来ある若い夫婦がこの制度を利用することができます。
子育て世帯とは
- 申請時点で18歳未満の子がいる世帯で、親(購入者)の年齢は問いません。
- 18歳未満の子と同居していることが必要ですが、親(購入者)の単身赴任等で別居を余儀なくされている場合は要相談。
- 18歳未満の子と同居するひとり親も対象になります。(申請時点で親が結婚していなくてもOK)
- 申請時点で妊娠中の場合、まだ産まれていないため子育て世帯には該当しません。ただし、若者夫婦世帯に該当する場合は対象になります。
若者夫婦世帯とは
- 申請時点で夫婦のどちらかが39歳以下であって、原則同居していること。
- 申請時点で夫婦別々に暮らしている場合は、原則として対象になりませんが、身赴任等で別居している場合は、要相談。
- 契約時点では結婚していたものの、申請時点で離婚している場合は対象になりません。
対象になる住宅は?
この事業は、2050年カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出を実質ゼロにすること)を実現するため、省エネ住宅・省エネリフォームを支援するもので、住宅は以下のような要件を満たす必要があります。
- 一定以上の省エネ性能を有すること
- 自分が住むための住宅であること
- 住戸の床面積が50㎡以上
- 土砂災害特別警戒区域外に立地すること
補助金額と手続き
住宅の省エネ性能によって、補助額が異なります。
新築対象住宅 | 補助額 |
---|---|
ZEH(ゼッチ)住宅 | 100万円/戸 |
高い省エネ性能を有する住宅 | 80万円/戸 |
省エネ基準に適合する住宅 | 60万円/戸 |
住宅のリフォーム | 補助額 |
---|---|
必須:住宅の省エネ改修 任意:子育て対応改修、耐震改修、バリアフリー改修、空気清浄機能付きエアコン設置工事等 | 内容に応じて最大45万円 |
手続きの流れは以下のとおり。
- こどもみらい住宅事業者(住宅の建築・購入の契約締結をする事業者で、あらかじめこの事業に参加登録をした事業者)を探します。事務局HPから事業者の検索ができます。
- 住宅事業者に、この制度を利用できるかを確認します。家族構成や住宅の性能、新築かリフォームかによって補助額が変わります。
- 住宅事業者と契約(この事業を利用するための「共同事業実施規約」も併せて締結します)
- 工事着工
- 住宅事業者が補助金の申請手続きを行います。(購入者が申請することはできません)
- 国から住宅事業者に、補助金が振り込まれます。
- 補助金は、契約時の取り決めに従い、以下のいずれかで還元されます。
- 契約代金の一部に充当
- 現金での支払い → この場合、原則として工事が完了し引き渡しを受けた後に事業者から受け取ることになります。
- (新築住宅のみ)住宅事業者から入居報告を行います。入居が確認できる住民票、不動産登記等が必要です。
他の補助金との併用は?
原則として、補助対象が重複する国の他の制度とは併用できません。
- 住宅ローン控除
- 被災者生活再建支援制度
- 解体工事への補助 など
- 地域型住宅グリーン化事業
- ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業
- 市街地再開発事業への補助
- サステナブル建築物等先導事業
省エネルギー住宅とは
家庭のエネルギー消費において、約30%を占めるのが冷暖房と言われています。
省エネ性能の高い住宅とは、この冷暖房のエネルギー消費を抑えることがきる住宅です。
ポイントは、冬に熱を逃さない断熱、夏に熱や日差しを遮ること、隙間からの空気の移動を少なくする気密。
これらを満たす省エネルギー住宅は、つまりとっても快適な住宅なんですね。
- 少ない冷暖房エネルギーで過ごしやすい
- 光熱費が節約できる
- 結露によるカビやダニが発生しにくい、建材が長持ちしやすい
省エネ基準は、法律が改正されるごとに強化されてきました。
従来の基準:断熱性能や日射を遮る性能など、住宅の外側の性能を評価
現在の基準:住宅全体で使用するエネルギー量も加えて評価
ただし、太陽光発電や省エネ冷暖房などの設備を備えたり、優良住宅の認証をとるには、別途費用がかかります。
補助金制度を理解したうえで、全体としてかかるコストが予算内におさまるように検討しましょう。