いざという時に役に立つのが貯蓄。
普通の預貯金ではほとんど増えないからと、「貯蓄性」のある他の商品をおすすめされることがあります。
結論、貯蓄・保険・投資はそれぞれ目的が違うものなので、それらを混ぜた「貯蓄性」というのは中途半端で良くないものが多いです。
仕組みも複雑でわかりにくい混ぜ物には要注意、シンプルで目的に合うものだけを選びましょう。
お金が貯まりそうな方法?!
自分の都合にあわせて、いつでも自由に使うことができるお金があると、たいていのことは乗り越えられるし、安心ですよね。
その昔、郵便局に預けておくとお金がうんと増えた時代もありましたが、残念ながら今の私たちにはご縁のない話です。
私は40代ですが、同年代かそれより若い世代の人たちは、預金でお金が増えるという感覚はありませんよね。
家に置いておくのは危ないからとりあえず銀行に預けておこう(金庫代わり)といったところでしょうか。
じゃ、どうしたら効率よくお金を増やせるの?
預金以外に、何か良い方法はないのかしら?
思い浮かぶのは、
- 株などへの投資
- 貯蓄もできる保険
- 金利が高い外貨預金
こんなところでしょうか。
普通の生活者が、それほど労力をかけなくても実行・継続できることが大事なので、そのへんを意識しながら特徴を見ていきましょう。
投資は長くゆっくりが基本
モニターとにらめっこしながら、安い時に株を仕入れて、高くなったら「今だ!」と売る。
それを繰り返して、且つ上手くやることが株式投資と思われがちですが、それは短期売買と呼ばれる一つの手法にすぎません。
日々、本業の仕事を頑張らなければならない私たちには、ちょっと無理ですよね。
こういった目利きと度胸と運が必要なやり方ではなく、ある程度想定できる範囲の利益を、長い時間をかけてゆっくりと目指していく「長期投資」という方法があります。
ごく普通の生活者に向いている方法ですね。
長期投資の代表例は、投資信託を使って、毎月たとえば3万円とか、一定額を自動的に積み立てていくものです。
投資信託とは、たくさんの株や債券で構成されるパッケージ商品のようなもので、ファンドマネージャーと呼ばれるお金のプロが作って運用しています。
始め方はシンプルで、証券会社や銀行に長期投資用の口座を作り、金額と買いたい投資信託を選べばおしまい。
あとは口座内で、毎月決まった日に自動で買付されるので、特にすることがありません。
また、つみたてNISAやiDeCo(イデコ)といった「国が支援する制度」を利用すると、長期投資をしている間は同時に税金も安くなる、といったメリットがあります。
ただし、投資信託は価格が変動する株や債券で作られているので、元本保証ではありません。
自分が投資した金額よりも少ない価値になってしまう可能性もあるので、そのリスクを受け入れられることが前提になります。
また、積立投資のやり方自体は簡単ですが、数ある投資信託の中から、どれにするかを自分で決めるためには、良し悪しを判断するための基準が必要ですよね。
そのための情報収集(お勉強)をやってみよう!と思えるかどうかも重要ポイント。誰かに丸ごとお任せにしないで、自分で決める、というスタンスですね。
貯蓄と保険は別々に!セット商品はNG
いざという時の保障がついてお金も貯まる「貯蓄もできる保険」
とても便利な商品のように聞こえますが、一度契約することであなたが背負うリスクもしっかり考えておきましょう。
普通の貯蓄は、いくら貯めてもいいし、いつどんな理由で使ってもいい、シンプルで自由度が高い方法です。
一方、保険は掛け金を払うことで、いざ困った時に大きなお金を受け取ることができるという、特別な機能を持つ商品ですよね。
そして、保険の契約には細かな条件があります。
安心を求めるあまり、保険金を受け取る場面やその金額は注目されますが、契約を途中でやめたくなったら?保険金を受け取れないケースは?といったことは不問にされがちです。
保険契約は途中で止めることもできますが、これにはもちろん「条件」がついてきます。
例えば、途中で解約する場合は、支払った掛金より少ない金額しか返せないよ(=元本割れする)という約束。
だったら、やめなきゃいい・・・ それはそうなのですが、長い人生のうちにやめたくなる可能性(今お金が必要!という状況や、他にもっと良い商品が出てきた等)も軽視できないと思うのです。
せっかくお金を貯めるつもりが、保険契約に縛られて有効に使えなかったり、必要な時に目減りした額しか戻ってこないのではもったいないですよね。
保険は本来、貯蓄できなくていいものです。
保険と貯蓄は本来目的が違うもの同士、だから別々に切り離して利用すると無駄がありません。
外貨預金はリスク大 為替と手数料に要注意
金利だけを比べると外国の方が高く、いい感じで利息がつきそうに見えるのですが、外貨預金には為替リスクがつきものです。
少しの金利差よりも、ずっとインパクトが大きいので気をつけないといけません。
今使いたい!と思った時が、預けた時よりも円高だったら、いくらか利息がついていたとしても、日本円に換金する時に為替差で吹き飛んでしまう可能性が十分あります。
逆にプラスにもなり得ますが、どうなるかは誰にもわからない・・・ そう、ギャンブルと同じですね。
外貨預金は手数料も高く、できるだけ安全に持ちたい貯蓄としておすすめする理由が見つかりません。
貯蓄は緊急時にこそ役立つ 自由度を重視しよう
貯蓄は、将来の目的や老後の生活資金だけでなく、緊急時にすぐに使えるお金にもなります。
いつ何が起こるかわからないからこそ、なるべく自由でシンプルな貯め方がいいですね。
昔ほどの金利はなくても、普通にコツコツ預金するのは、必要な時に必要な分だけ使える(他からの制約がない)という点で、今も変わらず良い手段だと思います。
加えて、価格変動に極度のアレルギーがなければ、長期投資という方法もおすすめです。
国が後押しする制度を利用して税金が安くなれば、その分「確実に」お得にもなります。
制度については別にまとめていますので、興味のある方は「つみたてNISA」や「iDeCo」の記事も見てみてくださいね。