住まい・不動産

賃貸の良さって?最適な住まいを見つけるヒント

住まい選びは人生の分岐点の一つ。

その中で「賃貸か持ち家か」という選択は、その後の人生を大きく左右する要素です。

賃貸は手軽さや自由度が魅力だけれど、何年経っても自分のものにはならないと迷う声もあります。

そこで、あらためて賃貸の良さや気をつけたい点について、実体験も含めて総括しました。

賃貸のメリット

持ち家のリスクと対照的な賃貸の良さ、あらためて整理してみると「意外と良いな」と感じることがありそうですよ。

初期費用が軽い

持ち家を購入するとなると、頭金、様々な手数料、保証金などの大きな初期費用が必要になります。

たとえば、4000万円の物件を購入するとしたら、頭金として400万円〜800万円、それに加えて仲介手数料や登記費用など、数十万円~百万円以上の諸経費がかかることも珍しくありません。

賃貸の場合は、保証金や礼金、前払い家賃などを合わせても数十万円と、住み始める時の経済的な負担が圧倒的に少なくてすみます。

柔軟性が高い

転勤や転職、家族が増えたり、巣立ったりと、一緒に住む人の状況に応じて、簡単に住み替えられるところも大きなメリットですね。

たとえば・・・

  • 独身時代は仕事へのアクセスが良い場所や、夜遅くまで遊べる環境を優先できる。
  • 結婚や子育てをする時期には、少し郊外の静かで教育環境の良いエリアに。
  • 退職後のシニアライフを迎えたら、スーパーや病院が徒歩圏内にあるとか、交通の便が良いところへ。

さらに、近隣に苦手な人がいたり、住んでみて思っていたのと違う環境だった場合でも、あまり悩まずに住環境を変えることができますね。

メンテナンスの手間なし

大きな修理や故障があった場合、持ち家は自己負担で修理しなければなりませんが、賃貸では、ほとんどが大家さんや管理会社が負担するため、住む人のコストは大幅に軽減されます。

また、外壁や防水工事などの定期的な修繕についても、賃貸の入居者は費用面の心配がいりません。

日常的なメンテナンスに関するストレスは大幅に少なくて済みますね。

税金や相続の負担軽減

賃貸には固定資産税がかかりません。

固定資産税とは、不動産を所有している人が毎年自治体に支払う税金です。

都心に高額な物件を持っているような場合、固定資産税は百万円以上となることも。賃貸であれば、この税金を支払う必要がありません。

また、不動産を持っていると、所有者が亡くなって相続が発生した時に、さまざまな手続きが必要になります。

特に高額な不動産の場合、相続税が発生したり、どう分割するかの話し合いに非常に手間がかかることがあります。

こうした面倒な手続きや、税金の負担を回避できることも賃貸の利点の一つです。

住宅ローンの心配なし

住宅ローンの長期的な負担に縛られない点も大きな魅力ですね。

たとえば、4000万円の住宅ローンを35年間で返済する場合、月々の返済額は10万円以上、これに加えて、不動産のオーナーとして固定資産税や修繕費などの維持費が必要になります。

賃貸の場合、当然ながら家賃がかかりますが、長期的な束縛がありません。

一緒に住む人数、働く場所、収入状況によって、自分に合った選択ができますね。

賃貸のデメリット

賃貸暮らしで不都合に感じるかもしれない点も押さえておきましょう。

自由度の制限

室内の大きな改装やリフォームを自由に行うことが難しいのが大きな制約の一つです。

手を加えてこだわりの空間を作る、というのは難しくなりますね。

また、ペットが禁止されていたり、駐車スペースに制限がある物件も多いです。

更新料と敷金の負担

更新料は、賃貸契約を更新する時に支払う費用で、家賃の1ヶ月分程度が一般的です。

たとえば、月額10万円の物件に住んでいる場合、2年ごとの更新時に10万円の更新料が必要、ということですね。

敷金は、入居時に支払う保証金のことをいいます。

敷金は、部屋の状態に応じて、退去時に一部または全額が返還されますが、部屋の修繕費用や清掃費用などで、戻ってくる金額が少なくなる可能性があります。

また、契約書に細かい追加条件がある場合、思ったほど返金されないケースもありますので、契約書は「特約」部分まで必ず確認しておきましょう。

騒音や振動など構造上の問題

共同住宅では、ある程度の生活音は仕方のないことですが、物音に敏感な方がお隣りや上下階にいる場合、トラブルになってしまう可能性があります。

また、建築費を抑えた物件では、冬の寒さや夏の暑さが直接部屋に影響し、断熱性が低くエアコンの効きが悪くなってしまいます。

ここは日々の快適性に関わるポイントですね。

物件を検討する際は、その部屋で主に過ごす時間帯(夕方以降、家族が集まるタイミング等)に内見して、お隣り・上下からの音や振動をリアルに確認しましょう。

実体験で感じたこと

住環境の良い面・悪い面は相対的なもので、賃貸に住んでいれば、時に「やっぱり持ち家がいいかも」と感じたり、戸建ての不自由さを体感すると、マンションの利便性が恋しくなることもあります。

隣の芝生は青く見える、というやつですね。

これまで賃貸、戸建て持ち家、分譲マンションとさまざまな住まいを経験しましたが、性格によっても向き・不向きがあるかもしれません。

家は住み始めると同時に劣化が始まります。

ピカピカだった床に傷がついたり、外観が汚れたり、数年で変化は目に見えるので、新しいもの好きの私は、それが少々寂しくもありました。

「住宅ローンはまだたっぷり残ってるのに…」

私のような飽きっぽい性格の方には、きっと賃貸が向いていると思います。

経済的にどちらがお得かは、前提条件や将来の予測によって変わります。

未来のことはわからない以上、これは「答えのない問い」ですよね。

心からマイホームが欲しい!なら購入するのが良いし、それほどの情熱が持てないなら賃貸がベターでしょう。

家は特別な存在ではありますが、あくまでも「好み」の問題です。

自分の気持ちに正直な選択をすることが幸せへの道だと思います。

まとめ

日本の持ち家率は約60%、賃貸は住宅総数の約35%と、マイホームを持つ人が多いのですが、近年、新しい住まいの形も広がってきています。

たとえば、シェアハウスや住まいのサブスク(定額制で、好きな場所、物件に住むことができるサービス。1ヶ月や1年ごとなどで住む場所を変えることも可能)など、昔はなかったサービスが台頭してきました。

長く住み続けることが前提のマイホームという考え方が変わり、今後はフレキシブルな賃貸を選ぶ人が増えるのかもしれません。

どちらがおトクか?という勘定の問題ではなく、どちらが自分のライフスタイルに合うか、おウチ選びはその一点に尽きます。

あなたらしい住まいで、毎日を豊かに過ごせますように!

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