資産形成・投資

投資のイロハ|期待リターンとリスクを知って、未来をつかめ!

投資は単にお金を増やすことが目的ではなくて、あなたの夢や、将来の安定を形にするための重要なツールですよね。

本当に価値あるものを手に入れるために、資産形成の基本、期待リターンとリスクの捉え方についてまとめました。

資産形成(投資)の前提

投資による資産形成では、手元にある資金を活用して、その額をさらに増やすことを目指します。

今は銀行預金の金利がとても低く、定期預金にしていてもお金はほとんど増えません。

そこで、株式、債券、不動産、金といった資産を購入し、価値が上がることを期待して運用するわけですね。

ただ、こういった資産の価値は、市場の動きによって日々変動します。

特に株式は、短期間で価格が大きく変動することがあります。

ここでは、期待リターンとリスクの考え方を理解し、ポートフォリオ作りの参考にしていただければ幸いです。

期待リターンとは

資産運用を考える際、リターン(収益)はもっとも気になるところですね。

期待リターンとは、将来の投資収益率の予想値のことをいいます。

「この投資をした場合、どれくらいの収益を期待できるのか?」の目安となる数値です。

たとえば、銀行の定期預金で「1年間の定期預金の利率は0.1%」といった場合、10万円を1年間預けたら、その期待リターンは100円(10万円×0.1%)ですね。

ただし、資産運用の世界では、銀行の定期預金のような確定的な収益は少なく、多くの場合は「期待リターン」として平均的な収益を予測します。

各資産の目安となる期待リターン(年率)は以下のとおり。

資産国内外国
債券0~2%1~3%
株式6~8%7~9%
REIT3~5%4~6%

リスクとは

資産運用の「リスク」とは、投資した資産の価値が一定ではなく、上にも下にも変動するブレ幅のことを指します。

たとえば、100万円で株を購入したものの、世の中の良い/悪いニュースや市場の不安定さにより、その価格が150万円になったり、70万円になったり、どちらにもブレる可能性がある、ということですね。

そのリスクの指標として用いられるのが「標準偏差」です。

標準偏差は、投資先の価格がどれくらい変動するかの度合いを示すものです。

たとえば、天気予報で「明日の気温は25℃、前後5℃の変動が予想されます」といった場合、実際の気温は20℃から30℃の間になる可能性が高いと理解できますね。

この「前後5℃」の部分が、投資の世界でいう標準偏差のイメージです。

1標準偏差と2標準偏差の違い

標準偏差が示すのは、「平均からのばらつき」です。

1標準偏差は、約68%の確率でその範囲内にデータが収まることを示しています。

つまり、さきほどの天気予報でいうと、20℃〜30℃の範囲に気温が収まる確率は約68%ということです。

2標準偏差は、平均からのばらつきをさらに広げたもの。これは約95%の確率でその範囲内にデータが収まることを示しています。

天気の例で考えると、前後10℃(前後5℃の2倍)の変動が予想される場合、15℃〜35℃の範囲に気温が収まる確率が約95%となります。

各資産の目安となる標準偏差は以下のとおり。

資産国内外国
債券2〜5%5〜10%
株式15〜20%15〜25%
REIT10〜15%15〜25%

株式は標準偏差が高い傾向にあり、リスク(価格変動のブレ幅)が大きいといえます。

期待リターンとリスクの見方

期待リターンは「長期的にどれくらい成長するか」の目安、標準偏差は「短期的にどれくらいの振れ幅があるか」と考えると良いですね。

投資先期待リターンリスク
国内株式6~8%15~20%
外国株式7~9%15~25%
国内債券0~2%2〜5%
外国債券1~3%5〜10%
国内REIT3~5%10~15%
外国REIT4~6%15~25%

国内株式を例にとると、長期的には6~8%の利益が期待できますが、短期的には価格が30~40 %ほど変動する可能性がある、と考えられます。(2標準偏差で考えた場合)

この場合、リスク許容度は、「市場がすごく不安定な時は、国内株式の資産額がが40%くらい減ってしまう可能性があるけれど、それでも気長に回復を待つことができそうか」という視点で考えると良いですね。

その上で、背負うリスクが大きくなり過ぎないように、投じる額などを調整しましょう。

2標準偏差(標準偏差を2倍に拡大したリスク)を想定すると、発生確率は約95%と考えられます。

資産運用の基本姿勢

資産形成は、金融機関の主導ではなく、あなた自身の理解とリスク許容度に合った方針で続けることが重要です。

よく言われることですが、以下のポイントを淡々と押さえていきましょう。

一つの投資先に賭けない

たとえば、話題の新興企業の株に全資産を投入するのは、非常にリスクが高いです。

ヒット企業であれば大勝利かもしれませんが、逆に倒産してしまう可能性もゼロではありません。

資産を様々な場所に分散させて、一つの失敗が全体の致命傷にならないようにすることが賢い選択といえますね。

投資は探検、知識は地図

投資の世界は、未知の大地のようなもの。この探検に出る前に、しっかりと地図(知識)を持っていなければ、道に迷ってしまいます。

複雑なしくみの商品には手を出さず、事前の情報収集で納得できる範囲のシンプルな商品選びをしましょう。

一瞬の風に惑わされない

株価や金利の短期的な動きには、心が乱れやすいものです。

だけど、歴史を見れば明らかなように、多くの資産は時間とともにその価値を増やしています。

一時的な「上がった・下がった」に一喜一憂せず、遠くの未来を見据える冷静さで、長期の成果を目指していきましょう。

まとめ

資産運用の世界は深く、選択肢は果てしなく広がっています。

だからこそ、日々の動きに惑わされず、しっかり基本を把握し、自分のリスク許容度を知ることが不可欠です。

堅実に長期投資の道を進んでいきましょう。

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