年収が高くても家計に不安? 額面では測れない満足度の話
「年収が高ければ、家計は安心」 そんなイメージ、ありませんか?
でも、年収が高くても、資産がしっかりあっても、「お金を使うのが不安」という方、けっこうおられるんです。
理由はいろいろありますが、大きくは2つ。家計のことを一人で抱えて辛くなっていること。そして、お金をかける優先順位が揺らいでしまっていること。
ご相談を通じて感じたことをまとめました。
年収だけでは判断できないこと
お金の話になると出てくるのが「年収」という数字。でもこれ、家計の状態を判断する基準にはあまりなりません。
家計にとって重要なのは、こっちです。
- 何にいくら使っているか(支出)
- 手元にどれだけ残るか(収支のバランス)
年収が大きいか小さいかではなくて、その使い方と、手元にどれだけ残せているかで、「お金に対する満足度」って決まってくるんですよね。
ご相談を受けていると、年収の額面だけでは、大事なことは何もわからないと実感します。
家計の中身は家庭によって全然違います。でも、いろんなご相談を受けてきた中で、わりとありがちな共通項も見えてきました。
ここから、そのあたりを一つずつ見ていきたいと思います。
悩みの種① 食費が多い問題
「食費が多いんです」と、申し訳なさそうに話される方、とても多いです。
支出の中身をみていくと、食費が結構かかっているというのは、比較的共通して見られる傾向でもあります。
ただ、大事なのは金額そのものより、その理由です。たとえば…
- 料理が好きで、食材にお金をかけるのが何よりの息抜き
- お酒が好きで、家飲みでも良いお酒やおつまみにこだわりたい
- 子どもが多くて、おやつ代だけでけっこうな金額になっている
- 共働きでご飯を作る時間がなく、外食になりがち
中には、「食費が多いのはわかっているけど、外でのマナーや、片づけを気にせず食事を楽しむ時間を大事にしたい」という教育方針あってのことだったりもします。
これ、全然悪いことじゃないですよね。むしろ、どれも納得できる理由ばかりです。
だから、「平均より多いから減らしましょう」は、あまり意味がないんです。
そもそも食費の節約ってとても難しい。毎日豆腐ともやしで過ごすわけにはいかないし、侘しいしい食卓が続くと、結局長続きしません。
頑張ったわりに、そこまで大きな節約にはならないことも多いですしね。
もちろん、毎回コンビニや外食に頼りっぱなしというなら改善の余地はありそうですが、食費は基本的には無理に節約しなくていいと思っています。

とはいえ、こう値上げが続くと、さすがに食費もじわじわ気になりますよね。そんなときは、こちらも参考にしてみてください。

悩みの種② 習い事が無限大
お子さんの習い事や教育費も、大きくなりがちな支出です。
最初はひとつだけのつもりだった習い事が、気づいたら4つ5つと増えている、みたいな話、よく聞きます。
これはもう、それぞれの教育方針なので、とやかく言うことではないのですが、個人的に振り返ってみると、あれもこれもやらせるのって、まず親も子も疲れます。
共働きで本当は休みたい週末の朝から、習い事の送迎、大会があったりして、平日も課題や練習に追われる。そのうち「これ、本当に必要なのかな」と迷いはじめたり。
ただ、サボっても中途半端でも、月謝は確実に出ていきますよね。ここは容赦なく。
教育の分野では、「非認知能力」というのが注目されていると聞きました。
※ テストの点数やIQみたいに数字で測れるものじゃなくて、自制心、忍耐力、やり抜く力、モチベーションなど「心の土台」みたいな力のこと、だそうです。
習い事などあれこれ広く浅く手を出すより、一つのことをやり抜いた経験のほうが、この非認知能力を育てて、長期的な学力や成果につながっていく、ということが研究でわかっているのだそうです。
子がすっかり育った今、「たしかになあ~」と思います。
お金の観点からいうと、習い事は固定費の最たるもの。なんとなくで続けるのはもったいないです。
得意なことは後からでも追いつけるし、得意でも好きでもないものは、やったとて…。
小さいうちの習い事は焦らずに(=お金も貯まる)、子ども本人の「これをやりたい」がはっきりしたらお金をかけるのがいいのでは。と、個人的には思います。
一方で、年齢に関わらず、好きで楽しんでいること、趣味のお金は犠牲にしない、安易に削らないでほしい!これも、めちゃ大事です。

悩みの種③ 家計と備えのバランス
収入がしっかりある方は、将来にも備えていることが多くて、資産形成に加えて、いわゆる「お金が貯まる保険」に入っている方も少なくありません。
保険については後の章で触れますが、たとえば退職金もある程度見込めて、企業年金も充実している方が、現役時代からの(個人年金保険などによる)備えも重なると、老後の資産がとーっても厚くなるケースがあります。
もちろん老後の備えは大事なのだけど、ある程度備わっているところに、さらに上乗せで、今の生活を圧迫してまで備えるのは、逆にもったいないかもしれません。
いろいろできる「若い時」って取り返せないので、楽しく使うことを優先させることも全然ありです。
悩みの種⑤ 保険で資産形成?
NISAなどはいつでも自由に引き出せますが、資産形成が保険商品となると話は別で、より真剣に見直した方が良いかもしれません。
終身保険や変額保険は「保障と資産形成、両方できます」と紹介されることが多いです。
でも実際に中身を見て、家計に反映させてみると、保障としても資産形成としても、どっちも中途半端というケースがとても多いです。
そのために、高い保険料を払い続けているとしたら、それはやっぱりもったいないと思います。
年収が高い方ほど「保険料くらいは払える」という感じで、保障内容の見直しが後回しになりがちです。
ただ、お金の置き場所として「保険」が最適な場面はそう多くないですし、資産がある方なら、なおさら保険を選ぶ理由は少なくなりますよね。
保険料よりも、その保険がいつ、どう役に立つのか。そっちを考えて、どうしても必要ならしぶしぶ入る。そんなイメージがいいと思います。

まとめ
年収という数字だけでは、家計のことはさっぱりわかりません。(ついでに言うと、年収だけですすめてくる保険や住宅の勧誘は危険です)
支出が大きいこと自体を責める必要はなくて、そこに納得感があるなら、それはそれでいいんです。
逆に、良かれと思って切り詰めたお金の割り振り方が、長い人生で考えるとアンバランスだった、これはよくある傾向です。
シミュレーションをしてみると、このあたりはわりとはっきり見えてきます。
あなたの家計にも、気になる偏り、ありませんか?

