クレジットカードやローンの申し込みで使われる「信用情報」。
これまで、その内容は確認できても「自分がどう見られているのか」まではわかりにくいものでした。
2024年からは、信用情報をもとに、あなたの「信用力」をスコアで確認できるサービスがスタート。点数形式で状況を客観的に把握できるようになりました。
気になる「信用力」をどう役立てるか、生活目線でまとめてみました。
「信用情報」ってどんなもの?
クレジットカードを作ったり、住宅ローンを申し込んだりすると、金融機関は申込者の支払い能力を審査します。
その際に使われるのが、信用情報機関に蓄積された信用情報です。
信用情報には、たとえば「いつ、どこで、いくら借りたか」や「支払いがきちんと行われているか」などが記録されています。
- クレジットカードやローンの契約件数と内容
- 支払い状況(遅延の有無など)
- 契約・解約の履歴
- 他社による照会の履歴 など
何気ない日々の支払いも記録されており、将来のクレジット契約やローン審査に影響することがあるんです。
へぇ、それって私のも記録されてるんですか?
はい。たとえばクレジットカードを作ったり、買い物で分割払いをしたときなどに、その記録が信用情報として残されるんです。
そうなんだ。信用情報を見るとどんなことがわかるんですか?
持っているクレジットカードやローンの情報、支払い状況、過去の申し込み履歴などがレポート形式で見られますよ。
信用情報を取り扱う機関は複数あり、それぞれで確認できる内容が異なります。
たとえば、CICではクレジットカードや分割払いの情報は見られますが、住宅ローンなどの銀行取引は、別の機関(KSC)に開示請求が必要です。
名称 | 加盟機関 | 主に取り扱う情報 |
---|---|---|
株式会社シー・アイ・シー (CIC) | クレジットカード会社、信販会社、携帯電話会社など | クレジットカード、分割払いなど |
全国銀行個人信用情報センター (KSC) | 銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫など | 住宅ローン、カードローンなど銀行取引全般 |
株式会社日本信用情報機構 (JICC) | 消費者金融、リース会社、保証会社など | キャッシング、消費者ローン、小口融資など |
身近な支払いも信用情報に
え、ちょっとした支払いの遅れも影響したりするんですか?
はい。普段の生活の中で信用情報が使われる場面って、けっこう多いんですよ。
たとえばこんな感じです。
20歳:初めてのクレジットカード契約
信用情報として利用状況や支払い履歴が登録されるようになる
25歳:マイカーローンを申し込む
過去のクレカ利用状況が審査の参考になる
30歳:スマホを分割払いで購入
支払い状況が毎月信用情報として登録される
32歳:住宅ローンを申し込む
過去のスマホ代が滞っていたことが発覚し、審査に通らなかった…なんてことも
小さなことでも、あとになって大きく響いてくることがあるんですね。自分は大丈夫かなって、ちょっと心配になります。
そう感じたタイミングこそ、信用情報を一度チェックしてみるいい機会ですよ。知らずに積み上がっている情報、意外と多いんです。
信用情報の活かし方
信用情報を見ても「ふーん」で終わっちゃいそうなんですが、何かに使えるんですか?
そうですよね。でも実は「見ておいてよかった」と思える場面、日常の中にもあるんですよ。
事前のセルフチェック
住宅ローンや教育ローンなど、大きな借り入れを検討しているときは、事前に自分の信用情報をチェックしておくと、改善できるポイントが見えてきます。
たとえば、次のような見直しが有効です。
- 支払い遅れの記録がある場合、数日~1ヶ月程度の遅延であれば、申込時期を後ろにずらす(目安は6ヶ月以上)
- 使っていないクレジットカードは、整理して解約する
- リボ払いやキャッシングの残高がある場合は、できるだけ完済しておく
こうした改善の後で申し込むことで、審査に通りやすくなる可能性があります。
家計の見直しに活用
信用情報のレポートには、契約中のクレジットカードやローンの情報、残高や支払い状況などが表示されますので、家計の棚卸しツールとしても活用できます。
たとえば、こんな見直しに役立ちます。
- 放置していたカードの存在に気づく
- 利用頻度の少ないカードを解約してスッキリ
- 家族で使っているカードの役割も再確認できる
クレジットカードは持ちすぎ注意?
なるほど、信用情報って見直しにも使えるんですね。
そうなんです。特にチェックしたいのがクレジットカードの枚数。
え、カードはたくさん持ってた方が安心じゃないですか?
わかります。でも、信用力でいうと、持ちすぎると評価が下がる原因になったりしますよ。
クレジットカードの枚数が多すぎると、信用力にマイナスの影響が出ることがあります。
理由①:将来の借入リスクがあると見なされる
利用していなくても「使える枠(利用可能額)」があるため、いつでも借金できる状態と判断されてしまいます。
理由②:お金の管理が甘そうに見られる
カードが多いと、どれにいくら使っているかがわかりにくく、支払い忘れにつながると見られることも。
もちろん、カードを2~3枚持っているだけでNGというわけではありません。
でも、「ほとんど使っていない」「存在を忘れていた」といったカードは、積極的に見直すのがおすすめです。
スコアで今の信用力をチェック
これまでの信用情報開示では、たとえばカードの枚数や支払い履歴は確認できても、それが実際にどう評価されるのかまでは、わかりづらいものでした。
そこで、2024年からCICが「クレジット・ガイダンス*」というサービスを始めました。
クレジット・ガイダンスは、カードやローンの契約内容・支払い状況といった取引の履歴をもとに、信用力を数値化し(200〜800点)、算出理由を提供するものです。
* この記事では、クレジット・ガイダンスを「スコア」と表現しています。

スコアが高いほど「この人はちゃんと返してくれそう」と判断され、自分の信用状態をひと目で把握できるのが特徴です。

開示方法はとてもカンタン
信用情報の開示は、自宅からいつでも手続き可能、ネットならすぐに結果を確認できます。
実際にやってみると所要時間は5分ほど。スマホでもOKです。
- CICの公式サイトで「インターネット開示」を選ぶ
- 指定の電話番号に発信して受付番号を取得
- 必要事項を入力
- 手数料(500円)の支払い
- PDFファイルをダウンロード
時間と料金が多くかかりますが、郵送でも請求することができます。
スコアをこれからに活かそう
ちょっと見てみたくなったかも。
手数料が少しかかりますが、見ておくだけでも生活のヒントになりますよ。
まとめると・・・
信用情報は、これまでのお金の取引の記録のことをいいます。
その信用情報をもとに、CICが「クレジット・ガイダンス」というスコアを算出しています。(算出理由もあり)
スコアが低くても改善チャンスあり
スコアが低いからといって、即NGというわけではありません。
算出された要因をチェックすれば、改善のヒントが見つかります。
スコアに年収・貯蓄は関係ない
スコアは、契約内容や支払い状況などの取引の履歴から算出される指標で、あくまでも「クレジットやローンの使い方」に関する評価です。
スコアには、年収や貯蓄額などの情報は含まれていません。

スコアは希望した人だけに表示
クレジット・ガイダンス情報(スコア)は、信用情報の開示を申し込む際に希望した場合のみ、開示請求報告書とあわせて確認できます。
申込のときに「希望する」にチェックをお忘れなく!
信用情報というと、難しそうだし、「自分には関係ない」と思ってしまいがちですが、クレジットカードやスマホの分割払いを利用している人なら、すでに信用情報が記録されています。
だからこそ、「自分は(信用力的に)どう見られているのか?」を知っておくと、いざというときに慌てずにすみますし、お金の使い方に気づきがあるかもしれません。
この機会に、あなたの「信用力」のぞいてみてはいかがでしょうか?