ここ数年ですっかり定着したサブスクリプション。
商品そのものではなく、「使う権利」を購入するスタイルは、様々なニーズに柔軟に対応できるため、近年急速に拡大しています。
サブスクリプションは、英語で雑誌などの「予約・定期購読」の意味ですね。
そこから転じて、商品の使用権を購入し、利用した期間に応じて料金を支払う「一定期間の使用許可」として使われるようになりました。
たくさんのモノを持たない、「所有」することよりも「使う」ことが大事といった考え方が、若い世代を中心に広がってきているのでしょうね。
こんなモノまで?!と驚くようなサービスが、お手頃な定額で利用できるようになり、時の流れをひしひしと感じつつ、私自身も楽しみながら便利に使っています。
多様化するサブスク
Netflixなどの音楽・映像コンテンツ分野は代表的なところですが、他にも「ちょっとしたところに手が届く」感じの、おもしろいサービスが次々と登t場しています。
これまでは購入が当たり前だった、車(→ 保険料やメンテナンス費用込みでサブスク)や、靴(→ 自分専用の靴型でメンテナンス込みのサブスク)、賞味期限切れになりがちな非常食、子ども向けに絵本のセレクト、色や本数が選べるお花の定期配達などなど。
個人的に、モノを買ってしまうよりも、サービスを考える人と、利用する人とが繋がる感じがして、何となくいいな、と思っています。
サブスク振興会による「日本サブスクリプションビジネス大賞2021」では、社会のニーズを反映したサービスが注目されていることがわかります。
評価が高かったサブスクは、どれも従来の概念を覆すものばかり。使ってみたいーとワクワクしてしまいました。
旅のサブスク
在宅勤務やワーケーションといった働き方が生まれる中、観光・出張だけではなく、「働く」「日頃の気分転換」などに着目したサービス。
家から少し離れたところで仕事をしたり、定額制で、旅を生活の一部にするような発想が素敵ですね。
海外も含め、560都市・987拠点を定額で利用可能。ホテル+航空券も簡単に予約できそうです。
月額:2,980円~
電動自転車のサブスク
通勤・通学で電動自転車を利用している方も多いと思いますが、これまで新車購入しか選択肢がなかったところに「買わずに借りて乗る」というスタイルが登場しました。
新車の購入費用が高い、長く乗るかどうかわからない(でも、あればきっと便利)と考えている人には嬉しいサービスですね。
Uber Eatsなどのデリバリー配達向けや、法人向けコースも展開しています。
月額:1,990円~
かかりつけオンライン薬局
何となく調子が悪い、そんな日常的な体調の悩みについて、薬剤師さんが相談にのってくれるサービス。
冷え性、むくみ、肩こり、腰痛、頭痛、不眠等、いわゆる不定愁訴という症状は、病院に行くのが億劫になりがちですが、相談から薬の発送まで(主に漢方薬)、薬剤師さんが対応してくれます。
症状や、他の薬との飲み合わせ、予算を考慮して提案された漢方薬は、オンラインで購入できます。
LINEで簡単に利用できるのも良いですね。
漢方お試し:4,980円~
空き家を利用の住まいのサブスク
アクセスの良い都市部や、山あい・海辺を含む地方など、全国210ヶ所以上のリノベーションを施した家を、定額で利用できるサービス。
敷金・礼金などの初期費用や、光熱費、Wi-Fi、家具家電等、生活や仕事に必要なものはすべて込みで、どの家・どの部屋を選んでも月額が変わらない点もユニークです。
短期間の「おためし移住」や、在宅ワークを活かした多拠点生活など、目的に合わせて住む場所を変えていく、新しい生き方が実現できそうですね。
今や住まいは、動かせないものを意味する”不動産”ではなくなりつつあるってすごい。
月額:44,000円~
メリットと注意点
サブスクのメリットは、なんといっても商品を購入しなくても良いことでしょう。
最初にかかる費用を抑えられますし、試しに使ってみて、合わなければそこで終了できるので合理的です。
また、最新の商品を使うことができて、期間中はメンテナンスや保証を受けられる点も、通常の購入にはないメリットですね。
一方で、サブスクならではの注意点もあります。
色々利用しすぎてしまう
費用を低く抑えられるために、つい利用しすぎてしまう点には注意が必要です。
1件あたりは安くても、色々と利用することでサブスクの割合が多くなり、結果的に固定費として家計を圧迫する可能性もあります。
購入する方が安上がりかも
使用期間によっては、購入する方が安くあがることもあります。
定額料金の中に、メンテナンスや保証にかかるコストがしっかり含まれていることも良し悪しです。
本当に必要なサービスかどうか、目的と全体のコストを見極めて利用することがポイントですね。
うっかり解約忘れ
月数百円程度のものだと、よほど使いこなしていない限り、そのうち存在を忘れてしまって、そのまま何ヶ月も放置になりかねません。
ちゃんと使っているなら問題ありませんが、何となく払い続けているものが多いと、メタボ家計になってしまいます。
あまり利用しないサービスは、ダラダラと続けずに、気づいたらすぐ解約手続きをしておきましょう。
解約時の条件
解約するとどうなるかも、申込時にはしっかり確認しておきたい点です。
最初に利用する時のハードルを下げるために、初回はさらに割引!といったキャンペーンがよく行われますが、その際の条件も必ず確認しておきましょう。(どこかに小さく書いてあるはず)
何ヶ月間か継続することが条件だったり、解約する時期によっては一定期間分の利用料金を支払う約束になっていることがあります。
サービスが普及するにつれ、トラブルや苦情も増えているようです。
登録したメールアドレスがわからなくなってしまって解約できないとか、退会したつもりが自動更新されていて、料金が引き落とされていた、など。
あらためて、基本的なことをしっかり押さえて、スマートに利用しましょう。
- いつまでが無料期間か、自動更新かを確認する(申込時)
- 利用中のサブスクをリスト化しておく
- 利用状況を定期的に確認する(使わないものは放置せずに整理)
- クレジットカード等の決済手段の明細を毎月確認する
- 解約は余裕を持って行う(メンテナンス等でサイトを利用できない時間帯があるケースも)